江戸時代には、華岡青州という内科・外科・整骨で高名な医師がいて彼によって初めて瘤(こぶ)・脱肛・舌がん・血瘤・痔瘻などの難手術が行われるようになった。
青州は自身が開発した「麻酔薬通仙散」を使って乳がんの手術に成功したことでも有名である。

痛みの文化として昔の人は、現代人ほど痛みを感じなかったかもしれない。江戸時代の文献「玉取り物語」では睾丸水腫を開く手術の様子が描かれているが、患者は痛がっている様子はない。

卵巣の手術の場面でも「痛い!」と言わず、「なんまいだぶ、なんまいだぶ・・・」と唱えている。痛みを取り除く手段としてすぐ麻酔を使う現代とは痛みの感覚が違ったと言える。